中国でYouTubeが見られないのは知っていた。忘れていたのはGmailだった
中国・青島への出張が決まったとき、ネット環境について心配はしていました。中国本土ではYouTubeなどのサービスがそのままでは使えない、という話は事前に知っていたからです。
なので、準備はしていきました。日本を出発する前にスイカVPNを契約し、そのうえで青島に入りました。滞在は1ヶ月+1ヶ月の、合計2ヶ月です。
結果から言えば、この準備は正解でした。YouTubeもAmazonプライムビデオも、現地で問題なく見られました。仕事を終えてホテルに戻ってからの時間を、日本にいるときと同じように過ごせたのは大きかったです。
ただ、ひとつだけ完全に想定から抜け落ちていたものがあります。私用のメールです。
先に前提を書いておくと、仕事のほうは心配していませんでした。会社から貸与されているパソコンには会社指定のVPNが入っていますし、業務で使うメールもGmailではありません。会社の環境は会社が用意してくれている、という状態です。
問題は自分のスマホのほうでした。私が普段づかいしているメールはGmailです。動画サイトのことばかり考えていて、メールも同じように影響を受けるとは、現地に着くまで意識していませんでした。VPNを契約していたので実際には問題なく使えたのですが、もし契約せずに来ていたら、2ヶ月間ずっと私用のメールが止まっていたということです。家族や友人とのやり取りも、各種サービスからの通知や確認メールも、全部です。
「会社がVPNを用意してくれているから大丈夫」と思っていると、私物のスマホだけが丸腰になります。仕事は会社の環境、プライベートは自分で用意する。この切り分けに気づけたのは、実際に長期で滞在してみたからでした。
そして、ここからが本題です。「現地で困ったら、そのとき契約すればいい」は通用しません。理由は記事の後半で書きますが、これがこの記事でいちばん伝えたいことです。
中国本土の通信環境

止まるのは動画サイトだけではない
中国出張の準備をしていると、どうしても「動画が見られない」という情報ばかりが目に入ります。私もそうでした。ただ、実際に生活してみると、影響が出るのはそこだけではありません。
私の場合は私用のメールでした。プライベートで日常的に使っているサービスが何なのかを、渡航前に一度棚卸ししておくべきだったというのが正直な反省です。動画は「見られなければ我慢する」で済みますが、メールが止まるのは我慢の問題ではありません。
特に、会社の環境と自分の環境は別々に考える必要があります。貸与パソコンや業務システムは会社側で対策されていることが多い一方、私物のスマホは自分で用意しない限り何の対策もされていません。プライベートのメールがGmailの人、Googleのサービスを日常的に使っている人は、この点を先に確認しておくことをおすすめします。
なぜ繋がらないのか
中国本土では、国外の一部サービスへの接続が制限されています。俗に「グレートファイアウォール」と呼ばれている仕組みで、個人が何かを間違えたわけではなく、その土地のネットワークがそういう作りになっている、という話です。
対象になるサービスは時期によって変わりますし、私は技術的な中身を語れる立場ではないので、ここは事実だけにとどめます。出張者として押さえておくべきなのは「日本と同じ感覚でネットが使える前提で行くと、初日につまずく」という一点です。
なお、中国出張で日本を出る前にやっておく設定については、別記事にまとめています。
【中国出張】これだけは日本でやっておく。現地でスマホが文鎮化しないための『必須設定3選』と『便利アプリ6選』
日本のVODが地域制限で見られない
もうひとつ、中国に限らない話をしておきます。日本の動画配信サービス(VOD)は、そもそも日本国内向けに配信されているということです。
配信できる地域は作品ごとの契約で決まっているので、海外からアクセスすると、サービス側が「日本の外からの接続だ」と判断して再生できないことがあります。これは中国だけの現象ではなく、アメリカでも台湾でも起こり得ます。
ここで効いてくるのがVPNです。VPNは通信を経由させる仕組みで、日本のサーバーを経由して接続すれば、海外にいても日本国内からのアクセスとして扱われます。スイカVPNも、海外から日本の動画サイト(VOD)を視聴する用途を主な使い道として挙げているサービスです。
滞在が長いほど効いてくる問題です。
スイカVPNを選んだ理由

VPNは種類が多くて、比較を始めるとキリがありません。私は出発前の限られた時間で決める必要があったので、次の3点だけを判断材料にしました。
①運営実績が14年あること。VPNは通信を預ける仕組みなので、どこが運営しているのかがそのまま安心材料になります。長く続いているという事実は、少なくとも「急にサービスが消える」可能性が低いことを意味します。ここが私にとっては一番大きい判断材料でした。
②30日間の返金保証があること。正直なところ、契約した時点では現地でちゃんと使えるかどうか確信がありませんでした。使ってみて駄目だったときの逃げ道があるかどうかは、初めてVPNを契約する人間にとって大きいです。
③料金が月額878円〜であること。2ヶ月の出張で、毎晩の過ごし方とメールの可否が変わるなら、この金額は許容範囲だと判断しました。
運営は株式会社MAJ_Techで、プランはお試し/1ヶ月/3ヶ月/6ヶ月/1年/2年から選べます。他社と細かく比べて最適解を出した、という話ではありません。「自分はこの3つの基準で決めた」というだけの判断過程です。
実際の使い方
申し込みから接続まで
手順としては、公式サイトでプランを選んで申し込み、アカウント情報を受け取って、端末にアプリを入れて接続する、という流れです。特別な機材は要りません。
繰り返しになりますが、私が申し込んだのは日本を出発する前です。契約したのは1ヶ月プランでした。
接続後、YouTubeもアマプラも問題なく見られた

青島での滞在中、YouTubeもAmazonプライムビデオも問題なく視聴できました。日本にいるときと同じ感覚で、夜にアニメを1本見て寝る、という習慣をそのまま持ち込めた形です。
速度についても、視聴していて不満はありませんでした。途中で止まる、画質が落ち続けるといったことを気にせずに見られた、というのが正直な体感です。
サーバーは複数選べる
接続先のサーバーは複数から選べるようになっていて、たまに切り替えてみたことがあります。ただ、切り替えても違いはよくわかりませんでした。
これはネガティブな話ではなく、むしろ逆です。もともと速度に不満がなかったので、切り替える必要がそもそもなかった、ということだと思っています。デフォルトのまま使って問題ありませんでした。設定をいじるのが好きではない人には、むしろ扱いやすい部分だと思います。
出張中のその他の使い道
動画を見るために契約したのですが、実際に滞在してみると、それ以外の場面のほうが「無いと困る」と感じました。
- 私用メール(Gmail)の送受信。冒頭に書いた通り、これが私にとっては最大の想定外でした。プライベートの連絡手段が丸ごと止まるのは、動画が見られないのとは重さが違います
- 日本のVODで、移動時間やホテルでの時間を過ごす(これが本来の契約目的でした)
- ネットバンキングや証券口座にアクセスする。給料の振込確認や振替など、生活の手続きは出張中も止まってくれません
- 日本のニュースサイトを読む。スマートニュースなどのニュースアプリもVPNがないと見れませんでした
- 乗換案内や、宿・航空券の手配サイトを使う。帰りの日程調整や、次の出張の準備は現地でやることになります
- 空港やカフェの公衆Wi-Fiを使うときの通信保護。誰でも入れるネットワークでパスワードのやり取りをするのは、できれば避けたい行為です。ここは海外に限らず、日本国内でも同じです
長期出張では、日本での生活がそのまま止まってしまう場面がいくつもあります。その穴埋めに使える、というのが2ヶ月使ってみての実感です。
出張期間別・プランの選び方

ここは自分の失敗を含めて書きます。私は2ヶ月滞在するとわかっていたのに、1ヶ月プランを契約しました。
初めて契約するサービスで、現地で本当に使えるかどうかもわからない。だからとりあえず短いプランで、というのがそのときの判断でした。気持ちとしては理解できますが、結果から言えば今なら3ヶ月プランを選びます。使えることがわかったあとの延長は、単純に手間が増えるだけだからです。
滞在期間ごとの目安は、次のように考えています。
| 滞在期間 | 選ぶプラン |
|---|---|
| 〜2週間 | お試しプラン |
| 〜1ヶ月 | 1ヶ月プラン |
| 1〜3ヶ月 | 3ヶ月プラン |
| 3ヶ月以上 | 6ヶ月〜1年プラン |
大事なのは、短い出張の人が長期プランを選ぶ必要はまったくないということです。1週間の出張に1年プランを契約する理由はありません。逆に、3ヶ月以上の駐在に近い滞在なら、短いプランを何度も更新するより長いプランのほうが素直です。
出張は、行ってみないと滞在が延びるかどうかわからない面もあります。それでも「延びる可能性がある期間」まで含めて選んでおくと、私のように後から悩まずに済みます。
注意点:現地に着いてからでは間に合わない
この記事でいちばん伝えたいのがここです。VPNの契約は、必ず日本を出発する前に済ませてください。
理由は単純で、現地でVPNを契約しようとしても、その手続き自体が進まない可能性が高いからです。VPNが必要な状況というのは、そもそもネットに制限がかかっている状況です。公式サイトが開かない、決済まで進めない、ということが起こり得ます。
そして、もう一段やっかいなのがメール認証です。サービスの申し込みでは、たいてい確認メールが届いて、そこに書かれたリンクを開いたりコードを入力したりします。そのメールアドレスがGmailだったら、どうなるでしょうか。
メールが受け取れないから認証できない。認証できないから契約が完了しない。契約できないからメールが受け取れない――。出口のない状態になります。私自身は出発前に契約していたのでこの状況には陥りませんでしたが、現地でGmailの重要性に気づいたとき、「これ、向こうで契約しようとしていたら詰んでいたな」と背筋が寒くなりました。
対策はシンプルです。契約・アプリのインストール・実際に接続できるかの確認まで、すべて日本にいるうちに済ませておく。これだけで、この問題は丸ごと回避できます。
なお、会社から貸与されているパソコンについては、私の場合は会社指定のVPNがあらかじめ入っていました。業務用の端末をどうするかは、自分で判断せず勤務先の情報システム部門の方針に従ってください。この記事で書いているのは、あくまで私物のスマホや個人利用の話です。
また、中国国内でのVPNの利用については、規制に関する報道があります。制度の運用や解釈は時期によって変わりますし、私は法律の専門家ではないので、ここで「大丈夫です」とも「駄目です」とも書きません。渡航前にご自身で最新の情報を確認したうえで判断してください。
速度についても補足します。VPNは通信をサーバー経由でやりとりする仕組みなので、日本国内でそのまま使うのと同じ速度になる前提では考えないほうがいいと思います。私の場合は視聴に不満のない範囲でしたが、これは私の環境での話です。返金保証のある期間のうちに、自分の環境で確かめておくのがいいと思います。
まとめ
青島での2ヶ月をふりかえると、VPNは「動画を見るための贅沢品」ではなく、プライベートな生活を出張先に持ち込むための道具でした。夜の時間、銀行の手続き、日本のニュース。そして何より、毎日のメール。長期滞在になるほど、その差は積み上がっていきます。
中国でYouTubeが見られないことは、調べればすぐ出てきます。でも「自分が普段使っているサービスのうち、何が止まるのか」は、自分で棚卸ししないと出てきません。私にとってそれはGmailでした。あなたにとっては別の何かかもしれません。
そしてもうひとつ。会社の出張だからといって、会社がすべてを用意してくれるわけではありません。貸与パソコンは会社の環境で守られていても、ポケットに入っている自分のスマホは別です。そこは自分で用意するしかありません。
これから中国へ出張に行く方は、日本を出る前に契約しておくことをおすすめします。30日間の返金保証があるので、まず自分の環境で試してみて、合わなければやめるという進め方ができます。現地で困ってから動くと、その「試す」ことすらできません。
あわせて読みたい:
※本記事の料金・プラン・保証内容は2026年8月時点で公式サイトに記載されている情報です。内容は変更されることがありますので、最新の情報は公式サイトでご確認ください。
※通信環境の状況や視聴の可否は、時期・地域・回線・端末によって変わります。本記事は筆者の滞在時点での体験を記したものであり、同じ結果を保証するものではありません。



コメント